先輩、これって恋ですか?




───!!


な、なんか、智紘先輩に似てる。

顔もそうだけど……

女の子の扱いに慣れてるところとか、エスコートしてくれる時にさらっと腰に手を添えるあたりが、なんかもう…っ!!


……って、そうじゃなくて!!



「あ、あの…! さっきは、その……」


そこまで言ったはいいものの、その先の言葉がなかなか出なくてテンパっていると、クスッと笑ったお兄さん。


「もしかしてさっきの気にしてる?」

「……はい。」

「ははっ。まあ確かに、家の前でどうしたのかな〜とは思ってたけど、べつに怪しい人だなんて思ってないから大丈夫だよ」

「……す、すみませんでした。」


智紘先輩のお兄さんとの出会いが、まさかあんな感じになってしまうなんて……

……恥ずかしいなー…


でも、お兄さんが来てくれなかったらわたし、まだあのままだったかもしれないと思うと…

確実に怪しい人認定されちゃってたかも…。