「実はさ、今日あいつ休みなんだ」
「えっ…?」
智紘先輩が、休み……。
「まぁ、風邪で寝込んでるんだけどな」
「え、…風邪!?」
「うん。だから“お昼一緒に食べてあげることができなくてごめん”って伝えててくれって、さっきラインがきたんだよね」
「そう、だったんですね…」
学年が違うから校内ではほとんどすれ違わなくて、お昼になるまでそのことを知らなかった。
風邪って、大丈夫なのかな。
もしかして熱とかあったりするんじゃ……
……こう言う時、連絡先でも知っていたらすぐ先輩に聞けるのに…
……って、そうだ──!!
「あの! …智紘先輩の連絡先とか、教えてもらえたりしませんか…?」
「連絡先?」
「はい! まだ交換してなくて…」
「ったく。あいつ何やってんだよ」
すると大和先輩はクスッと笑いながら、「じゃあ今送るね」と言った。