次から次へと溢れてくる先輩への苛立ちにもとれる感情が、さらにわたしを加速させる。



「大体、先輩は自覚が足りなさすぎます! スキンシップが無駄に多くて距離だって近すぎるし……。おまけにほっぺに、キ、キスまでしたりして…っ! そ、そういうのはちゃんと特別な人にするべきです!」


「あ、あの、春香ちゃん…?」


「こういうこと誰にでもするからうわさが広まってしまうんですよ…っ! 人の気も知らないで勝手にドキドキさせるくせに、自分は余裕たっぷりで……。」


いっつも、そうだ。

先輩のペースが乱れることなんてほとんどないんだ…。



「……ずるい、です。わたしばっかりがドキドキして、先輩のことを意識して………」



言い終えると、全てのもやもやを吐き出したからなのかすっきりしていた。
けど、先輩の顔を見るのが怖くてフイッと視線を逸らす。