「春香ちゃんが傍にいるだけで俺、ついつい触りたくなっちゃうんだよね」
「あ、の……」
ドキ、 ドキ、 ドキ───
鳴り止まぬ鼓動の音が邪魔をして、平常心ではいられない。
それなのに先輩はお構いなしに、わたしの髪を弄ぶ。その、器用に動く細い手が、またドキドキを煽る。
「春香ちゃんの髪すっごい柔らかいね」
「そ、そうです、か…?」
「うん。それにいい匂いする。俺、この匂い好きだなぁ」
っ───…
な、なんでそんなこと…。
ただ髪の毛を触っているだけなのにどうしてこんなにドキドキするの……。
やっぱり、先輩がかっこいいから…?



