「あ、あの……」
「なに?」
「視線が…突き刺さるん、ですが…」
先輩だからと言葉に気を使いながら“見すぎ”だということを伝えてみるも、全くそれが伝わっていないのか、はははっと笑われただけだった。
「春香ちゃん、まだー?」
「ま、待ってください。わたしにも、タイミングが…あるので」
「待ってあげてもいいけどさー。もうすぐで昼休み終わっちゃうよ?」
スマホ画面に表示されている時間を、わたしに見せてくる先輩。
このままお昼休みが終われば名前呼ぶのを回避できるんじゃ、と淡い期待を抱いていると、そんなわたしに先輩が言い放った。
「昼休み終わったらもう、罰決定だからね?」
────ダメだ。何もかも、先輩にお見通しな気がして逃げられる気がしない……。
ここはもう腹をくくるしかない…っ。



