「た、たまには違うの食べればいいのに…」
「そう思うんだけどさぁ。やっぱりこれに戻ってきちゃうんだよねぇ。一度好きになったものはとことん好きだから、俺」
「そ、そう、なんですね!」
………な、なんか今の会話で、どっと疲れた気がする。
先輩が紛らわしい言い方するから……ってべつに、先輩が悪いんじゃなくて。
わたしがおかしいんだ…っ
「春香ちゃん顔赤いけど、ここ暑い? 窓少し開けようか?」
「え!? あ、いや! だ、大丈夫です…!」
「そう?」
首を傾げながら「でも…」と言って、わたしに手を伸ばしてこようとする──
「ああ…! やっぱり窓、開けようかな…!」
挙動不審になりながら慌てて立ち上がると、窓を開けて「ふー」と深呼吸をする。
顔、熱い…。
これは絶対に先輩のせい、だ。



