「俺は春香ちゃんと付き合ってるってうわさ流されてもいいって思ってるけど?」

「なっ! 〜〜…そういうところですよ! 軽々しくそんなことを言わないでくださいってば!」

「本気だってば」

「智紘先輩のそれは本気じゃないです!」



“来るもの拒まず”だった先輩。

女の子の接し方には慣れていて相手がドキドキする言葉を言うのはお手の物。

だから、きっと先輩の言う「本気」は、本気じゃない。



「と、とにかく、うわさが落ちつくまでわたし教室でお昼…食べますので。」

「それだけは絶対にダメ!」


ムキになりながら何度も“ダメ”と言いながら詰め寄って来る先輩。


「な、なんでですか…。」

「春香ちゃんと一緒にご飯食べたいからに決まってるじゃん!」

「そ、れは、うわさが落ちついてからでもいいじゃないですか」