「……ち、智紘先輩…?」
声をかけてみてもまるで返事はない。
誰もいないのかな。そう思って勇気を振り絞り奥を覗いてみると、壁にもたれかかりながら目を閉じる先輩からの姿がそこにはあった。
そして周りには少しだけモノが散乱している。
……さっきの音って、もしかしてこれが落ちた音だったのかな…。
「あのー…」
近くから声をかけても無反応。
その代わりにスースーとリズム良く寝息が聞こえてきた。
「もうっ。…人を呼んでおいて勝手に寝ちゃうなんて……。」
先輩らしいといえばそうだけど、さっきの恐怖心を返してほしいくらいだった。
て、いうか、いつになったら先輩目を覚ましてくれるんだろう…?
それとも待ってみる? でも起きなかったらお昼休み終わっちゃうし……。



