「春香ちゃんはそういう心の優しい子だって俺、知ってる。」
「智紘先輩…?」
「だから俺、変わることができたんだ」
変わる……?
先輩は何の話をしているんだろう…。
「俺にとって春香ちゃんが救世主みたいなものかなぁ」
「え… 救世主ですか…?」
意味が分からなくて首を傾げていると、ははっと笑った先輩。
その時、サァーっと風が吹き
「春香ちゃんのおかげで人を好きになることを知った。そして守ってあげたいってことも知った。
───だからこれからも俺の傍にいてほしい。」
木々の揺れる音にかき消されて、先輩の言葉は聞こえなかった。



