「智紘先輩」
「なにー?」
「いつまでそうしてるんですか…?」
「顔の熱が下がるまで」
テーブルが死角になって先輩の顔は見えないのに声だけ聞こえるって不思議だ…。
いつもは先輩が色々話してくれたから静かになることはなかったのに、急に訪れた静寂に少し困惑する。
…あまり自分から話しかけるのって得意ではないんだけど。
でも、このままってのも…
……あ、そうだ。
わたし先輩のことあんまり知らない。
いちごロールパンが大好きな“甘党”ということだけで、それ以外のことは全く……。
先輩が顔を隠してて見えない状態だとしても、別に聞くくらいなら問題ないよね…?
「智紘先輩、聞きたいことあるんですけど」
「んー?」
「先輩は何か好きなものありますか?」



