お兄ちゃんは一つずつ記憶を辿っていくけど、何か違和感を覚えたのか首を傾げる。そして、徐々に顔を青ざめて違和感に気付いたのか掛け布団を剥ぎ取って自身の足を見た。

「な、なんだよ。これ……」

 驚くお兄ちゃんの目に飛び込んできた光景は、自分の左足首に着いている頑丈な鎖だった。私は鎖がベッドの足に固定されていて、ベッドも動かないようネジで留めている。今のお兄ちゃんはベッドから降りることが出来ても、この部屋から出ることは不可能だ。

「えへへ。お兄ちゃん、似合っているよ」
「何かの悪戯か?舞、理由を聞くから外してくれないか?」