【完】今日もキミにドキドキが止まらない




そっと目だけを上げて工藤くんを見ると、



「俺、朝弱いから先に行ってって言ったよね?」


「……」



そうなのだ。

工藤くんは朝が大変苦手なご様子で、私は先に学校へ行く毎日。


せめて……!!!
と、思いモーニングコールをさせてほしいと真剣にお願いしたけれど、秒で断られた。


「やっぱり朝が弱いなら、是非モーニングコールを私にさせ……」


「しなくていいよ?」


「はい……」


モーニングコールをさせてもらえれば、工藤くんは起きれるし私は朝から声を聞けて幸せな一日が開幕する。


なんの問題ない。

……なのに!!

いいえ結構ですと断られ続けた回数は、本日でなんと通算10回目となり残念な記録を更新。


私の唇はだんだんタコみたいに尖っていく。


ダメダメ……。

こんなことで文句なんて言ったら工藤くんにめんどくさい奴だって思われるかもしれない。