---そして今に至る。
噂のせいもあってか、相当怖がられているけれど、その容姿の魅力に気づいた女子からは最近密かに人気がある。
「逢坂くん……っ、おはよう!」
「橘。風邪はもう治ったのか?」
「うん……!もう元気だよ!あ。もしかして、わたしがライン送ったから、心配……してくれたの?」
逢坂くんを見上げて頬を赤らめる橘さん。
「あのさ……日菜ちゃん。最近よく逢坂くんと話してるでしょ?」
「え、うん……」
隣の席だから、と付け足そうとしたけれど、なぜか詩織ちゃんはどこか青ざめた顔をしていた。
「あのね、橘さんの好きな人は、逢坂くんなんだって……。コレ、みんな知ってることで……だから日菜ちゃん、恨まれたら大変だからあんまり喋らない方がいいよ……」
クラスの絶対的中心人物の橘さんを敵にしてはいけないと、逢坂くんと席が隣になった私に詩織ちゃんが忠告してくれた。



