逢坂くんは、目立ってしまうその容姿のせいか早速先輩達に目をつけられ、追い回されていたらしく。
悠長に階段を上っていた私に、
「……おい!お前、どけ!」
「え……っ、わぁぁぁぁぁ……!!!」
頭上から聞こえた大きな声に弾けるように顔を上げれば、階段の手すりを飛び越えた逢坂くんが降ってきた。
スローモーションに映る逢坂くんの綺麗な髪。
あっ、と驚く逢坂くんの瞳。
あ、ぶつかる……と思った私は咄嗟に目をぎゅっと閉じた。
ドンッ!!!
「なっ、なに!!?」
強い衝撃音に私は目をパチくりさせる。
危機一髪!?
強く閉じた目を開けば私を避けて着地したであろう逢坂くんがいたのだ。



