「うん。カラオケでやろうって話しになっててね?あ、二人は予定空いてる?」
「もちろん!空いてるよ!」
と、間髪入れずに答えたのは詩織ちゃん。
「よかった。今人数集めてるの。誰でもいいんだけど、どうせなら多い方がいいでしょう?女子会の予定だけど、もしかしたら男子もくるかも。春川さんも、参加ってことでいい?」
「……あ。はい」
「じゃあ詳しいことはグループラインでね!」
断ったらきっと、空気が読めないと思われるかもしれない。
「やったぁ!橘さんに誘われちゃった。やったね、日菜ちゃん!」
「そうだね」
クラス一の人気者でモテ女子の橘さんからのお誘いに、例えそれが人数集めでも、詩織ちゃんは私の腕を組んで喜んでいた。
翌日。
「……あ。日菜ちゃん!来たよ、ほら!」
詩織ちゃんとクリスマスパーティに持っていくプレゼントを考えていたら、“噂の彼”が登校してきた。
「おっす!逢坂(あいさか)!!久しぶりじゃん!」
クラスの男子達が数人、彼の元に駆け寄る。
「……逢坂くんが学校に来るなんて珍しいね?」
と、詩織ちゃんがヒソヒソ声で耳打ちしてくる。



