「あぶね。ホントにするとこだった」


「な、なに……?」



そう言いながら起き上がった工藤くんは、まるで理解出来ていない私にこう言った。



「可愛すぎて、キスするとこだった」


「き、キス……っ!!?」



さらりと大胆発言をしてくるなんて……。


工藤くんは、本当に手加減してくれない。


私がドキドキさせたいのに、こうやってまた、させられてばっかりで。



平然を装うなんて、工藤くんを前にして通用するわけがなかった……。



「あ。卵焼きうまかった。また食わせて」



さらに私を喜ばせる台詞までしっかり添えてくる。