「………」
私はしばらく固まっていた。
信じられない出来事に、放心状態のまま身体をゆっくりと二人の方へ向ける。
「……日菜。嬉しいのはわかったけど、顔緩みすぎてメルトダウンしてるから」
「ホントだ。って、日菜ちゃん?おーい」
二人の声がまるで遠くに聞こえる。
まだ、耳に残る工藤くんからの夢のような言葉。
可愛いって……そんなこと。
まさか言われるとは思ってもみなかった。
言われて嬉しくないわけがない。
工藤くん、工藤くん、工藤くん……。
私の世界はこうやって、いつも工藤くん中心で回ってる。
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