「工藤くん……ありがとう……」 「それは俺の台詞。最初に言ったの忘れた?」 「最初……?」 目と目が合う。 優しくて、大好きな工藤くんの瞳。 「----“勇気だしてくれたんでしょ?ありがとう”」 思わず、瞬きも忘れて工藤くんを見つめてしまう。 告白した時、工藤くんが私にくれた答え。 工藤くんは、どこまでもずるいなぁ……。 あの時と同じように声にならない私は、ただただ、うんと頷いて涙が頬を伝っていくのを感じた。