「あの……電話、気づけなくてごめんなさい……でも、工藤くん……面談は……?」



工藤くんはどうしてここに……。

二人きりになってすぐ、聞きたいことが山ほどありすぎて、なかなか上手く話せない。



「ここに来たら、会えるんじゃないかって思った」


ツリーに目をやる工藤くんの仕草に、私は息をのんだ。



「それにお前のことばっかり考えて、面談どころじゃないよ?」


「……っ、」


「でも先生には言ってきた。医学部も行かないし、推薦された大学も志望しない。俺は自分が決めた通りにするって」



意思のこもったその声に迷いなんて微塵もないように感じられた。



「工藤くんが、決めた、通り……?」



ぎこちなく問いかけると工藤くんは静かに話し始めた。