あの時は、こんな風に誰かを好きになって、笑っている自分の姿なんて想像もしていなかった。
幻想的なツリーを見上げていたら、やっぱりどうしようもなく工藤くんに会いたくなった……。
「なにしてんの?」
人混みの中、背後から投げられた声。
その聞き慣れた声に飛びつくように振り返れば、
「逢坂くん……!?」
そこには黒のダウンジャケットを羽織った逢坂くんがいた。
制服を纏っていない逢坂くんはホントに大人っぽくて、私は何度も目をパチパチさせた。
「逢坂くん、お出かけ?」
「いや。用事ってか、コレ」
と、恥ずかしそうに見せたのはリボンのついた可愛らしい四角い箱。



