「工藤くん……!」
「だから声デカいって」
ふっ、と笑った工藤くんを見てほんの少し安心した。
よかった。
また深刻そうな顔をしていたらかける言葉が見当たらなかったかもしれない。
「工藤くん、一緒に帰ってもいい……?」
「ダメって言うわけないだろ」
一瞬、目を丸くしたけれど、いつもと変わらない口調に少し胸を撫で下ろす。
* * *
こうやって一緒に帰るのは久しぶりかもしれない。
身震いを起こすくらい寒くて肩を縮める。
もうすっかり日が落ちて私達を夜の暗闇が包んでいく。
言葉を交わさないまましばらく歩いたその時。
「わ……っ!?」
突然、工藤くんが私のマフラーを口許まで引っ張ったことに驚いて小さく悲鳴をもらす。



