特進科の授業が終わるまであと少し。
逢坂くんのおかげでいつもの私に戻れている気がする。
だけど、工藤くんは今きっと悩んでいる。
宮野先生も焦りの色を見せる程に、進路のことを深刻に考え直している。
どうしてかは今はわからないけれど……。
思い返せば今まで一度も進路の話を聞いたことがなかった。
工藤くんの将来のことも。
工藤くんは頭脳明晰で、だからきっと有名大学へ進学するだろうと勝手に思い込んでいた部分もある。
そして私は工藤くんに近づくことばかり考えていた。
工藤くんが悩んでいることも知らずに……。
だから……
「まだ帰ってなかったの?」
唐突、私の耳に舞い込んだその声にハッと息をのんだ。



