「まさか……っ、やだよそんなの……ないない!絶対ないもん!そうならないように頑張る!」
そんなことがあった日には私の呼吸は止まるだろう。
ぷはっ、と逢坂くんがついに吹き出した。
「わかったわかった。まぁでも、俺はその方が嬉しいけどな」
「も、もう……!」
「ってのは冗談だ。ごめんって。春川は笑ってる方が俺は好き」
じゃあな、と手を挙げて、今度こそ逢坂くんは振り返らずに昇降口を出ていった。
その背中を見送りながらいつの間にか笑顔になっていたことに気づく。
もうすっかり逢坂くんとはこんな風に笑い合えるようになっていた。
憂鬱にも似た気持ちが逢坂くんのおかげで少しだけ軽くなる。



