「それに……日野原さんがずっと二位を守ってきたのは、精一杯ずっと頑張ってきたからこその結果だよ!」 「……っ」 それを蔑むような言葉をぶつけていい人なんて、誰一人いないのだと私は思う。 「……はぁ。なるほどね?そっか。工藤くんがどうしてあなたを選んだのか、わかっちゃったよ。困ったなぁ」 「えっ?あの……日野原、さん?」 暫し沈黙が流れた後、日野原さんが力を抜くように息を吐いた。 「ちょっとこっち来て?」 ……と。 私の手をひいて廊下の端まで歩き出した。