しまった。
やってしまった感が半端ない……。
工藤くんごめんなさい。
国宝級にカッコいいと賞賛される工藤くんのいる特進科で私はキモい人間に認定されてしまいました……。
プツンと緊張の糸が切れた私はその場で壁にもたれ掛かった。
「……助けてなんて、頼んでない」
そっと目を向ければ、そこにはまだ身体を縮めて拳を握ったままの日野原さんがいる。
「どういうつもりなの……?」
「いや、これは……」
「わたしが可哀想に見えた?同情した?」
「違う……っ、だって!あんな二対一なんて……ひっ、卑怯だもん……っ!」
「っ、は、はぁ?」
同情とか哀れみとかそんなんじゃない!
ただ、見て見ぬ振りをするのは、あの頃の私より情けない臆病者だ。



