「なにいってんのお前。見落とすつもりなんかないよ?」


「は?」



すると、工藤くんが私の腰に手を回して引き寄せる。



「この先のこいつのこと、俺は見落としたりしない。お前が心配することじゃないから、安心して?」



心臓が大きく跳ね上がる。


そんな夢のような台詞に、この先も工藤くんの隣にいられたらと私は心底思った。


……だけど。



近づく距離に、

この時の私は少し浮かれすぎていたのかもしれない……。


本当に、工藤くんのことを、私はちゃんと見れていたのかな。