「工藤くん……っ、」



予想を遥に超える事態に椅子から飛び上がった。



「工藤っつったっけ?そんな顔すんなよ。たった今、俺はフラれたとこだから」



ちょ、ちょっと、逢坂くん……と言いそうになったけれど、



「へぇ。それはよかった」


……と、工藤くんは見透かしたような瞳で細く笑った。


逢坂くんが小さく舌を打つ。



「なぁ。春川のこと、もっとちゃんと見てやったら?」



私が急いで工藤くんの元へ駆け寄ったと同時、逢坂くんがそう言った。