「待ってよ……っ、工藤くん!」
特進科クラスへ続く廊下に私の声が響いた。
……む、無視!?
それでも足を止める気配がない工藤くんを追いかける。
「工藤くん……っ、ま、待って!なにかあったの……?」
くるりっとこちらへと振り返った。
よかった、やっとこっちを見てくれた……。
と思ったのも束の間……。
工藤くんがいきなり私へと近づいてくる。
ぐんぐん縮まる距離に驚いて後ろに後ずさりしてしまった。
「ちょ……っ、えと、工藤くん……!?」
ピタッと壁に背中がくっついて、もう一歩も下がることが出来なくなった。