「好きな奴でもいんの……?」 先程よりも曖昧に揺れる逢坂くんの瞳。 「うん。いるよ」 迷うことなく答えると逢坂くんが目を見張った。 “付き合ってる人がいるの”……と続きを口にしようとしたけれど、遮られた。 「なにしてんの?」 突然現れた工藤くんの声によって。 「くっ、工藤くん……!」 ちょうど階段を降り立ったであろう位置を飛びつくように見れば、少し不機嫌そうな工藤くんが立っていた。 「えっと、特進科の授業は……?」 「もう終わったけど?」 あ……とっくにそんな時間だったなんて。