そして、そっと手を伸ばして私の頭に触れる工藤くん。

……優しくて、温かくて、安心する。


上手く声にならない代わりに私は何度も頷いてみせる。



「……悪い。待たせてばっかりだな」


私はふるふると首を横に振った。



「私が待ちたくて待ってるんだもん。工藤くんのこと待ってる時間、私……大好きなんだよ?」



ただの一度も待たされてるなんて思ったことないよ。


工藤くんを待ってる時間は、ドキドキして、嬉しくて、幸せだよ。



「あ……。私、もしかして、またバカなこと言ったかな……?」



だって工藤くんは、目を丸くして驚いた表情をしているから。