【完】今日もキミにドキドキが止まらない




しばし沈黙が流れたあと、



「あーあ。バレちゃったぁ。さすが工藤くんだね」


「日野原の反則負け」


淡々と返す工藤くんの声。



「だって……ずるしてでも、どうしても教えてほしかったの。工藤くんが春川さんを好きになった理由」


「答える必要ある?」


「ねぇ。お願い工藤くん。教えて?春川さんのどんなところが好きで付き合ったの?」



負けてもなお引き下がらない日野原さん。


それを聞くチャンスはたくさんあった。

勇気を出せなかったのは、私。

あの夜のお礼だって真っ先に伝えることなのに名乗り出ることも出来ずにいる……。