こ、これは……。
相手の陣地に踏み込んだ私としては、窮地に立たされることになってしまう。
なんて考えている私を置いて工藤くんは一度キッチンへと立ち去った。
* * *
「すっごくいい香りだね!ありがとう工藤くん!」
紅茶を淹れたお洒落なカップをテーブルに並べてくれる。
「親が買ってきたやつだけど」
ふむふむ。
ご両親は紅茶好き、と。
工藤くんに関する最新情報をすぐさま頭の中に保存する。
「工藤くんは、紅茶好きなの?」
「たまに飲むかな。勉強の合間とか。まぁ、割と好きだよ」
“好 き だ よ ”
また聞けちゃった……。
そして、工藤くんの好きな物がまた一つ知れるなんて。
好きな人の好きな物を知れるって、難しい問題が解けたときより何倍も嬉しいんだ。



