マフラーを一枚首に巻いただけじゃもうかなり寒い。
やっぱり手袋もしてくればよかったな。
私は全速力で学校を目指す。
もし……。
工藤くん禁止令を発動していなかったら……と、ふと考える。
正門前は私の特等席。
工藤くん待ちをする私はいつもそこで工藤くんが登校してくるのを待っている。
でも、工藤くんは私がそこにいなかったとして、先に行っちゃうかな?
約束をしているわけでもないし。
それとも遅刻した私を工藤くんは待っていてくれるのかな……?
待っていてくれたとして。
それは心底嬉しいけど、こんな寒い中、工藤くんを待たせるのは嫌だ。
期末テストを控えているのに風邪なんて引いちゃったら大変だもん。
だから今、工藤くん禁止令を発動していてよかったなって思った。
---それなのに。
「……う、嘘」
正門に辿り着いた私の声が零れ落ちる。
どうして……?
視線の先にいる人物に思わず目を見張った。



