「……なんで、助けてくれたんですか。誰も、助けたりなんか……っ、普通は助けないのに」
巻き込まれたくない。
怖い、安全地帯にいたい。
自分はあっち側になりたくない。
「なに言ってんの?」
みんなから伝わってきた声に押し潰された私に、彼は……
「“普通は”、助けるもんだろ。バカなの?」
そう言って微笑んでくれた。
クスッと笑ったその顔が、聖夜にライトアップされたツリーの輝きに照らされてはっきりと見えた。
「もっと、勇気出せるといいよ。ゆっくりでいい。きっと強くなれると思うから」
その温かい声は、
驚く程鮮明に私の心に響いた。
---それが、工藤くんに出会った夜だった。



