「春川さんって、逢坂くんのことが好きだったんだね?知らなかったなぁ」
震える程に冷たい橘さんの声。
「ち、違う……」
「え?違くないでしょ?ねぇ、橋本さん?」
橘さんがそう言えば、みんなが詩織ちゃんの方を一斉に見る。
え……?
私も慌てて視線を走らせた。
隠れるようにひっそりと後ろで立っていた詩織ちゃんの目が恐怖に怯えていた。
どうして、そんな顔をしているの……?
「橋本さん、ホントだよね?」
「春川さんからずっと相談されてたって、昨日メッセージで言ってたもんね?」
橘さんと仲のいい女子が震える詩織ちゃんの脇を固めて詰め寄った。
詩織ちゃんにそんな話しをした覚えは一度もない。
ただの一度も。
だから詩織ちゃん。
違うって言ってよ……。
お願いだから……。



