ようやく大鬼が少女を捕まえた頃には、太陽が沈み始めていた。

日の出から日の入りまでに石を積み上げることが賽の河原での約束事だった。

今日も石を積み上げられなかった子ども等が、眠りに就き始める。


「今日はここまでだね」


襟首を捕まえられた少女がにへらと笑う。

笑い事ではない、と大鬼は溜息をつく。

丸一日、この少女に振り回されてしまった。

明日こそは石を積み上げさせなくてはと決意しつつ、少女を河原へと投げ捨てると、大鬼も自分の寝床へと向かった。