次の日。

朝から早速石を積み上げようとする子ども等を眺めながら、大鬼はやはり塔を崩して回った。


「一重積んでは父のためぇ」


調子はずれな歌を口ずさみながら大鬼は塔を崩して回る。

一節歌うごとに大鬼は塔を一つ崩していた。

時にはまだ塔と言えないようなものすらも蹴りつけていた。

大鬼が通った後の塔は全て崩されているような有様であった。


「二重積んでは母のためぇ」


大鬼が鼻息荒く少女のところに辿り着く。

少女はと言えば、石を手にじっと固まっていた。