“私が売られたお金” ママが持って来たってさっき言ってたっけ? 渡された茶色い封筒を握りしめる。 『お前の好きにしろ。何か買いに行くか?』 相変わらず口の端を少しあげて言う。 フト前を見ると大きな川が流れていた。 『停めて!』 気付けば叫んでいた。 シルバーの眼鏡をかけた男が車を停めてくれた。 その事を確認して、車から降りた私を見て 『椿様!』 慌てた様な声がした。 男は 『いい。好きにさせろ。』 と一緒に降りてきた。