15分程走ると、大きな屋敷の前に着いた。

絵本に出てきそうな屋敷でビックリしていると

『社長、椿様どうぞ。』

本庄さんがドアを開けてくれた。

真也さんはどんなお仕事をしているんだろう?

こんなに大きな屋敷で暮らせるのだから、きっと凄いお仕事なんだろうなと思った。

屋敷を見上げる私の肩に、真也さんの手が置かれた。


『ここが、今日から椿の家だ。』

私の家。

これから、私はどんな人生になるんだろうか?

喜びに満ちた人生?

それとも、奈落の底を歩く人生?

私は私の人生を自分で切り開き幸せになる。

そう心に誓い、真也さんに連れられ屋敷に入った。