『…!』



急に、パッと目が覚める。



…あれ、目が覚める…って何が…あ、思い出した。



『…そーだ、僕、鬼に目ヤラれて肋折られて首締められて…。』



…いやあの、それでよく生きてたね、僕。



あー、だから道理で右側だけ見えないわけだよねぇ。



どうなってるんだろう、と右手で触れば、どうやら包帯が巻いてあるらしい。



…ていうか待って…僕あの後どうやって森の中から抜けたっけ…。



「起きましたか?おはようございます。」



そう思っていると、突然声が掛けられる。



…可愛らしい、控えめな、声。



好き過ぎて何回も再生して聞いた声…な気がする…。



そう思い、身体を起こして声のした方を向く。



「あ、ダメですよ?無理しちゃ…まだ全然良くなってないんです。」



…待って待って…待って待って待って待って…



何で、胡蝶しのぶが此処に居る…!?



…いや、鬼滅の世界だからおかしなことでは何らない…何らないはずなんだよ…でもさ!?



…僕、死にかけたよね、それで目を覚ましたら…蝶屋敷に居た、ってことかな?



…あー、死んでもいいや(真顔)



胡蝶「大丈夫ですか?」



そう言いながら、僕の目の前でひらひらと手を振る。



『え、あ、はい、大丈夫ですとても!!はい!!』



そう大声を出した途端、お腹に激痛が走る。



『〜〜〜〜〜』



胡蝶「あまり大声出してはダメですよ?肋が三本も折れてるんですから。」



『…三本も?』



胡蝶「はい。」



そう言いながらにっこりするしのぶさん。



…はい、じゃないんですけど僕そんな重傷になったの生まれて初めてなんですけどよく生きてたね(二回目)



胡蝶「それにしても…回復力とかは普通ですね。」



『???』



胡蝶「聞いた話では、あなたが何かとかでないただの木の枝で、鬼に痛手を負わせた…と。」



にこにこ笑っているしのぶさんに言いたい。



実はあれ、僕にもよく分かってない。



…前の世界に居た頃、出来ないかなぁなんて有り得るはずもない全集中の呼吸を練習していた頃がある。



まあほんとに巫山戯てだよ、出来るなんて思ってなかったから。



それを…それがある世界だから、と本気でやっただけのこと。



出来るとは思わないし…技が使えるなんて思わないでしょ?



自分でも驚きしかないんだよね。