あたしはユンファ。

首都のビルのレストランだ。昼食(ちゅうしょく)の予定。

「あー、
ポテトチップ」とあたし。

「雲が(ひつじ)のようですねえ」とスグリ。田舎出。

「そうだなあ」とあたし。

とその予約席(よやくせき)にオルセーヌ・オルファンとサイが遅れてやってきて。

昼食(ちゅうしょく)

首都のオフィス街だ。
そのレストランだ。

窓からは空が見える。群青の。

そしてサンドイッチやカツレツ。
デザートのフルート。
お茶。

美味(びみ)だった。

サイとスグリが会話する。

「商会でもまた立ち上げようかなあ」とサイ。


とふとあたしは地球人(テラナー)である、サイがここオールドルナへやってきたのがずっと昔のことで、その過ぎた年月(としつき)を思うと、こころに涙のように、それを必死に隠していたけれど、ツンとするものがあったんだ。(MGZ162年3月)