「怒ってくれて、感情ぶつけてくれるって、俺のこと、俺の存在を認めてくれてるってことだろ?」
「うん、そやで。誰もあんたに無なんかじゃない。あたしは、朔のことも知りたい。みんなのこと知りたい。そう思ったから話してる。」
朔は知ってる
暴力振るわれたり、罵られたり…嫌われることよりも、もっと怖い事を
「自分に無関心って…つらいよな」
あたしも朔を抱きしめて泣いた
そうや。
別に嫌っててもよかった
それなら、嫌いっていう感情をあたしにぶつけて欲しかった。
でも母上は、あたしの存在をないものにした
あたしが何しても、自分の子じゃないって言い聞かせて、見もしなかった
無
それがめっちゃ辛かったんやって…
「あたしのことで怒ってくれてありがとう。あたしの気持ち理解してくれてありがとう」
朔は無なんて似合わへん。
無の感情が1番怖いって知ってる朔は
誰よりも優しい人になる
……



