愛は惜しみなく与う②




「怒ってくれて、感情ぶつけてくれるって、俺のこと、俺の存在を認めてくれてるってことだろ?」

「うん、そやで。誰もあんたに無なんかじゃない。あたしは、朔のことも知りたい。みんなのこと知りたい。そう思ったから話してる。」



朔は知ってる



暴力振るわれたり、罵られたり…嫌われることよりも、もっと怖い事を




「自分に無関心って…つらいよな」



あたしも朔を抱きしめて泣いた



そうや。

別に嫌っててもよかった
それなら、嫌いっていう感情をあたしにぶつけて欲しかった。


でも母上は、あたしの存在をないものにした


あたしが何しても、自分の子じゃないって言い聞かせて、見もしなかった









それがめっちゃ辛かったんやって…


「あたしのことで怒ってくれてありがとう。あたしの気持ち理解してくれてありがとう」


朔は無なんて似合わへん。



無の感情が1番怖いって知ってる朔は



誰よりも優しい人になる



……