愛は惜しみなく与う②

そしてあたしは、また点滴に繋がれた


次こんなことで呼んだら、全員放り出す!と怒って帰っていった


怖い…

ぽふっとベッドに背中を預ける


「ほら、言ったろ?助國さん、あれでも元暴力団員だ。怒ったら怖いんたぞ」

「わかった。なんか殴られるか思ってビクビクしたもん」


圧がすごかった、圧が!

朔をちらりとみると、少し気まずそうにしている



「朔ごめん!あんたに当たった。あんたが言うことは図星すぎてイラッとしてしまった。朔は悪くないのに…ごめんな?」


仲直り!そう言って手を出すと、朔もおそるおそる立ち上がり、あたしの手を取った




「嫌われたり、虐待されたり…それもすげぇ辛いし、やってらんねぇってなるけど…」



もう一歩あたしに近づき布団に顔を伏せる朔



「自分に興味なくて、無って奴が1番怖いんだ、俺は」


そんな小さくなる朔をみて、涙がこみ上げてきた。あたしと同じことを思っている

そんな朔を抱きしめる


なんや、あんた

あんたもいっぱい悩んできたんやな