「なんだよそれ!最低じゃねーか」
「あたしも思った。こいつ、くそやなって思ってた。でも……どんだけ憎くても、自分の母親なんやなって思ってた」
響も少し下を向く
響もわかってたもんな。響もどんだけ親が嫌いになっても、離れても…親はその人しか居ないから
「胸糞悪い話だなぁ!最後まで聞ける気がしねーよ!なんでお前も素直に名前変えてんだよ」
突然ガタンと大きな音を立てて朔は立ち上がる
おい、朔!と止める慧の腕を振りほどいて、あたしの服を引っ掴む
「おめーは!それでよかったのかよ!よくないよな!だって今、悲しい顔してるもんな!」
「やめろ、朔」
「はなせ!」
朔?あたしはあまりの剣幕に言葉が出てこなかった
「親に…そんなこと言われて…お前はそうやって…で??妹が死んだから、お前が後継だってか??そんな都合のいい話ねーだろ!何受け入れてんだよ!!!」
図星すぎた
ただ泉が朔をあたしから引き剥がし、その反動で朔は床に尻餅をつく
でもその目はとても…怒っている目だった



