愛は惜しみなく与う②


「あたしも西にいたとき、ちゃんとした病院って行ってないから、こういう方がありがたかだたりする」

なんせ、なんで怪我したかとか、理由や場所や言わなあかんし…大きな怪我やと警察呼ばれたりしても困るしな

あと未成年は親に連絡される


たまったもんやない


「関西にもこんなボロい病院あったのか?」

「ここなんかマシや。あたしが行ってた場所は…思い出したくないくらい、やばい女医がやってた」

久しぶりに思い出したわ
あの人は人の体をいじくり回すのが好きや


「何回変な薬うたれたか…」


あたしの言葉を聞いて、全員少し顔を歪めた

自分で調合したよくわからん薬をあたし達で実験してた


和やかに話してるけど、これが本題ではない


「あの、聞いていいですか?」

「ん?なに?」



「あなたが東堂財閥の娘っていう事は、跡取りは、杏ですか?」


新はちゃんと話しの本筋が見えている

あたしは東堂財閥の娘

跡取りか…東堂財閥はあたしがもし継いだら、5代目になる


そんな由緒ある…昔から続く大きな財閥だ