愛は惜しみなく与う②


「せやなぁ…どうやったらNo. 1か、西にある全部のチームと戦ったわけでもないし」

そんな、トーナメント戦みたいなんしたわけでは無い


「挑んでくるチーム蹴散らしてたら、気づけばどのチームも薔薇に勝負挑んでこーへんくなったって感じかな」


そう。後半は、笑えるくらい平和
毎日のようにふっかけられていた喧嘩も、パタリと止んだ。

理由は絶対勝てないからもういい!と
西は薔薇の次に強いチームを決め出した


「ってことは、杏ちゃん女総長だよね?かっこいい!」

「去年までな。かっこいいというか、なんか憂さ晴らしに暴れてただけかもしれんけど」


そうや。最初はただの反抗意識
自分の環境をぶち壊したかった

あたしは…


「あたしは東堂から抜けたかった。だから母親の旧姓を名乗って生活してた。ただ、身分証明するものは、未成年のあたしでは名前変えれへんから、東堂のままや」


泉は少し前に聞いてたから、今回、名前がバレるのではないかと心配してここに連れてきたとみんなに説明した