愛は惜しみなく与う②



「何から話せばええんかな。みんなに言いたいことあるねん。聞いてほしい」


どっちから言うかなー
4人とも真剣にこっちをみてる。泉は少し心配そうにあたしたちを見ている


「あたしの苗字、峰岸やん?あれ、母親の旧姓やねん」


「……ご両親離婚してるんですか?」


普通はそう思うよな
離婚してるみたいなもんやろって勝手に思ってるけど…


「正直父親の顔とか覚えてへん。最後にあったんが小学校の時やし…離婚はしてへん。ただあたしが家の事情で…苗字かえなあかんかってん」


意味わからんよな
みんなキョトンとしてる
でも泉が静かに聞けって言ったからか、あまりヤイヤイ言わずに黙って聞いてくれている




ふぅ


「あたし、ほんまは、東堂 杏 って言うねん」


久しぶりにフルネームで名乗ると、自分の名前やのに違和感しかない

そしてその名前に、ピンときたのは慧と新


朔と響は、ん?それで?みたいな顔してる
おもろい


「え、えっと…あ、反応しちゃダメなのか…ごめん!続けて?」


苦笑いで慧は、えーーっと言いたい気持ちを抑えているよう