泉は少し驚いた顔をしたが、嬉しそうに笑ってくれた
あいつらも喜ぶ。そう言った


「10分だけ俺に時間くれる?」

「ん?ええよ?」


少し改まってあたしを見る泉
眉毛が垂れ下がってる
叱られた大型犬みたいな…

沈黙が耐えれなくなって、頭をわしゃわしゃしてやろうかと思いてを伸ばすと、その手を取って引き寄せられる


「俺…こんなに怖かったの始めてで…」

「ん?」

「杏がいなくなって、すごく怖かった。杏の姿を見るまで、心臓が張り裂けそうだった」


そう言ってあたしの肩に優しく手を添えて、身体を起こす



「守れなくてごめん」



しっかりあたしの目を見て伝えてくれた

でもあたしからしたら、なんで泉が謝るかわからへん


「あたしからしたら、助けに来てくれてありがとうって言いたいねんけど?」


あたしも人のことは言えへんし、自分のことを棚に上げて泉には伝える



「だーーれも泉のせいやなんて思ってへん。運が悪かっただけ。そんで、こーゆう事が起きるかもしれへんって分かってて、あたしはここにいる」


そう。
別に守ってもらって当たり前なんて思ってへんし、自分の身は自分で守る