「あーはいはい。わかりましたよ」

叩かれた背中を少し気にしながら新が立ち上がると、風呂場のドアが開く



「さっぱりーーー!頭もすっきりーーー!」



笑顔満点の杏

その杏を優しい目で見る泉を、新はこっそり眺めていた


「よし!今後のことを話そう。頭の整理もできたし、皆んなにも話しておきたいことがある」


杏濡れた金の髪から、水が滴るのも気にせず2人の元へ歩く


ふわりと風呂上がりの良い香りが鼻をかすめ、身体があったまり、頬が赤くなっている杏を2人は見る


窓の外は、雨の気配はしない


あんなに土砂降りだった雨も今は止み、初夏の夜を感じれる



「全部話してくれ。言う必要ないと思うことでも、なんでもいいから」


「うん、わかってる。ありがとう」



笑顔で2人の手をとり、ニコニコと微笑む彼女をみて、やべぇ可愛すぎると泉は思い、そう思ってるだろうなと想像する新も、笑っていた


守りたい、この笑顔を



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