どうしてこんなに苦しいのか

私がこんなに苦しいなら、杏様はもっと苦しいはず。


髪を切って、鈴様と同じ髪の長さにしたあの日から、杏様はどこか私とも距離を取るようになった


髪の色まで変えるという杏様を、それだけはと、必死で俺が止めたのを覚えている。


杏様のあのキラキラ光る髪が好きだった


全員が思ってる。ここの東堂の使用人全員が、いなくなってしまった杏様を偲んで、鈴が金髪にしたんだと


全員思ってる



違うって叫びたい
ここにいるのは杏だって


でもそれができないから



しかるべき日のために、ただ動こう


杏様、独断で動く私をお許しください
そう

杏様に嫌われても、私にはやるべき事がある



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